紅麹ブームの影に潜むシトリニン
近年、健康に良いとされる食品として注目を集めている紅麹 (ベニコウジ)。鮮やかな赤色で見た目にもインパクトのある紅麹は、実は昔から使われてきた発酵食品です。 米や麦などの穀物に 紅麹菌 を繁殖させて作られる紅麹は、もとは 天然着色料 として親しまれていました。
しかし、近年ではコレステロール値を下げる効果があるのではないかと注目され、サプリメントとしても人気を博しています。
ところが、そんな紅麹ブームの裏側で、ちょっと気になる存在がいます。 それが、 シトリニン という物質です。 シトリニンは、実は紅麹菌が生成するカビ毒の一種で、発がん性のある物質として知られています。
本来であれば、安全に紅麹を摂取するためには、シトリニンが少ない菌株を用いて作られたもの選ぶのが鉄則です。 しかし、残念ながらシトリニンを多く含む紅麹が市場に出回ってしまうケースもゼロではありません。
では、シトリニンと紅麹、いったいどう付き合っていけばよいのでしょうか?
シトリニンの正体 – 知られざるリスク
シトリニンは、カビが生成する様々な有害な物質の一つです。 腎臓に悪影響を及ぼすことが知られており、欧州連合 (EU) では、紅麹由来のサプリメントに含まれるシトリニンの基準値が厳しく規制されています。
では、なぜシトリニンを含む紅麹が市場に出回ってしまうのでしょうか?
実は、紅麹菌の中には、シトリニンを生成するものと生成しないものが存在します。 安全性を確保するためには、当然ながらシトリニンを生成しない菌株を選ぶのが理想です。
しかしながら、製造工程において十分な品質管理が行われていない場合、シトリニンを多く含む菌株が混入してしまうおそれがあるのです。
消費者の立場としては、なかなか製造工程の中までは把握できません。 だからこそ、信頼できるメーカーが製造している紅麹サプリメントを選ぶことが大切になってきます。
安全な紅麹選びのポイント
シトリニンによる健康被害を防ぐため、安全に紅麹を取り入れるにはどうすればよいのでしょうか?
- シトリニンが少ない紅麹菌を使用しているか確認する パッケージや公式サイトなどで、使用されている紅麹菌の種類を確認しましょう。 信頼できるメーカーであれば、シトリニンの含有量が少ない菌株を用いていることを明記しているはずです。
- 信頼できるメーカーを選ぶ 品質管理を徹底しているメーカーを選ぶことが大切です。 長い歴史と実績のあるメーカーであれば、ある程度の安心感が持てます。
- 口コミやレビューをチェックする 実際に使った人の口コミやレビューをチェックしてみるのも一つの方法です。 特に、体調不良などのネガティブな情報がないかどうかを確認しましょう。
シトリニンと紅麹、上手に付き合うために
シトリニンを含む紅麹が健康被害を引き起こしたというニュースは、紅麹そのもののイメージを悪くしてしまいました。
しかし、そもそも紅麹は昔から使われてきた伝統食品であり、シトリニンを含まないものであれば、適量であれば安全に摂取できます。
今回の出来事は、消費者が賢く商品を選ぶことの大切さを改めて教えてくれました。 シトリニンが少ない菌株を用いた、信頼できるメーカーの紅麹サプリメントを選ぶようにしましょう。
また、あくまでも食品であることを理解し、用法・用量を守って適切に摂取することが大切です。 もちろん、体調に異変を感じたらすぐに医師に相談してください。
シトリニンと紅麹、上手に付き合って、健康維持に役立てていきましょう!
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